給排水

排水の種類と施工ルール

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汚水・雑排水・雨水・ドレンといった排水の区分ごとに、法令と公共建築工事標準仕様書が定める配管設備の要件・間接排水にすべき機器・合流と通気の取り方を引く参照ページです。

混合禁止(特化則第11条第2項)

塩酸・硝酸・硫酸を含有する排液と、シアン化カリウム・シアン化ナトリウム・硫化ナトリウムを含有する排液が混合すると、シアン化水素又は硫化水素が発生するおそれがあります。 そのおそれがあるときは、排液処理装置およびこれに通ずる排水溝・ピットを、 これらの排液が混合しない構造にしなければなりません

確認してください

間接排水管は、水受け容器その他のあふれ縁よりその排水管径の2倍以上の空間(飲料用の貯水槽の場合は最小150mm以上)を保持して開口しなければなりません(公共建築工事標準仕様書 2.4.8(3))

排水の種類と施工ルール

法令が求めていること(建築基準法施行令)

答え

雨水か汚水かで容量・傾斜・材質を変える
根拠
建築基準法施行令 第129条の2の4 第3項(第1項も同時に掛かる)

⚠️ 注意

  • 法令の要求:配管設備の末端は、公共下水道、都市下水路その他の排水施設に排水上有効に連結します(施行令第129条の2の4第3項第3号)
  • 法令の要求:汚水に接する部分は、不浸透質の耐水材料で造ります(同第4号)
  • 法令の要求:第3項は「第1項の規定によるほか」です。配管設備全般に掛かる第1項も同時に掛かります
計算式・参考文献+

法令が求めていること(建築基準法施行令) → 建築基準法施行令 第129条の2の4 第3項(第1項も同時に掛かる) の表引き

▶ 【法令が求めていること(建築基準法施行令 第129条の2の4 第3項)】

建築物に設ける排水のための配管設備の設置及び構造は、第1項の規定によるほか、次に定めるところによらなければならない(建築基準法施行令第129条の2の4第3項)。

  • 第1号 排出すべき雨水又は汚水の量及び水質に応じ、有効な容量、傾斜及び材質を有すること。
  • 第2号 配管設備には、排水トラップ、通気管等を設置する等衛生上必要な措置を講ずること。
  • 第3号 配管設備の末端は、公共下水道、都市下水路その他の排水施設に排水上有効に連結すること。
  • 第4号 汚水に接する部分は、不浸透質の耐水材料で造ること。
  • 第5号 前各号に定めるもののほか、安全上及び衛生上支障のないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものであること。

※ 第3項は「第1項の規定によるほか」と書かれているため、配管設備全般に掛かる第1項も同時に掛かります。特に第1項第5号「水質、温度その他の特性に応じて安全上、防火上及び衛生上支障のない構造とすること」は、排水の種類ごとに造りを変える根拠になる条文です。

【国土交通大臣が定めた構造方法(建設省告示第1597号 第二)】

建築基準法施行令第129条の2の4第3項第5号は「国土交通大臣が定めた構造方法」と書いて中身を外に投げています。その投げ先が建設省告示第1597号(昭和50年12月20日)第二です。仕様書の記載が何を根拠にしているのかは、この告示までさかのぼると説明できます。

第二 一 イ(保守点検)

イ 掃除口を設ける等保守点検を容易に行うことができる構造とすること。

第二 一 ロ(直接連結してはならない管・法令が挙げる4つ)

ロ 次に掲げる管に直接連結しないこと。

  • (1)
    冷蔵庫、水飲器その他これらに類する機器の排水管
  • (2)
    滅菌器、消毒器その他これらに類する機器の排水管
  • (3)
    給水ポンプ、空気調和機その他これらに類する機器の排水管
  • (4)
    給水タンク等の水抜管及びオーバーフロー管

告示の4項目と仕様書の5分類は別物です

この4つは法令(建設省告示第1597号 第二 一 ロ)が「直接連結しないこと」と書いている管です。公共建築工事標準仕様書 2.4.8(2) の5分類は、仕様書が「間接排水とする」と書いている機器で、出典も言い回しも違います。数も分け方も違うため、2つを1つの表にまとめて読まないでください。

第二 一 ハ(雨水排水立て管)

ハ 雨水排水立て管は、汚水排水管若しくは通気管と兼用し、又はこれらの管に連結しないこと。

※ 禁止されているのは2つです。汚水排水管・通気管と兼用することと、これらの管に連結することです。兼用していないから大丈夫、という読み方はできません。

第二(排水トラップの封水深)

排水トラップの封水深(封水深とは、トラップの越流部下端から封水面までの垂直距離をいう。)は、五センチメートル以上十センチメートル以下(阻集器を兼ねる排水トラップにあつては、五センチメートル以上)とすること。

※ 阻集器を兼ねる排水トラップは「五センチメートル以上」だけで、上限の十センチメートル以下が掛かりません。一般の排水トラップと同じ上限で見ないでください。

判定:排水トラップの封水深(建設省告示第1597号 第二)

cm

排水の種類と施工ルール

一般の排水トラップ の封水深

判定

適合
理由
封水深 5 cm は 5 cm 以上 10 cm 以下の範囲に入っています。
求められる範囲
5 cm 以上 10 cm 以下

⚠️ 注意

  • 法令の要求:排水トラップの封水深は五センチメートル以上十センチメートル以下です(建設省告示第1597号 第二)
  • 出典の記載:阻集器を兼ねる排水トラップにあつては五センチメートル以上です。上限は掛かりません(同)
  • 出典の記載:封水深とは、トラップの越流部下端から封水面までの垂直距離をいいます(同)
計算式・参考文献+

5 cm ≦ 封水深 5 cm ≦ 10 cm → 適合(一般の排水トラップ/建設省告示第1597号 第二)

  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の2の4(給水、排水その他の配管設備の設置及び構造)
  • 建設省告示第1597号(昭和50年12月20日)第二(建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件)
  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)2.4.8 排水及び通気配管
  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)1.7.8 グリース阻集器
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第11条(排液処理)
  • ※ SHASE-S 217・JIS・JPF の規格の中身、および日本阻集器工業会の資料の中身は著作物のため本ページには載せていない。SHASE-S は購入が要る。JIS は日本産業標準調査会のサイトで、利用者登録してログインすれば閲覧できる(印刷・購入は不可)

※ 一般の排水トラップは5cm以上10cm以下。阻集器を兼ねる排水トラップは5cm以上だけで、上限が掛かりません。

第二(排水槽)

  • ・排水槽の底の勾配は吸い込みピットに向かつて十五分の一以上十分の一以下とする。
  • ・(マンホールは)直径六十センチメートル以上の円が内接することができるものとすること。

【間接排水にすべき機器と排水口空間(2.4.8(2)(3))】

2.4.8(2) 次のものからの排水は、間接排水とする

  • (ア)
    食品冷蔵容器、厨房用機器、洗濯用機器(業務用)、医療用機器及び水飲器
  • (イ)
    冷凍機及び冷却塔並びに冷媒又は熱媒として水を使用する装置
  • (ウ)
    空気調和用機器
  • (エ)
    水用タンク、貯湯タンク、熱交換器その他これに類する機器
  • (オ)
    給湯及び水用各種ポンプ装置その他同種機器

間接排水管は、水受け容器その他のあふれ縁よりその排水管径の2倍以上の空間(飲料用の貯水槽の場合は最小150mm以上)を保持して開口しなければならない。また、水が飛散し支障がある場合は、それに適応した防護方法を講ずる(公共建築工事標準仕様書 2.4.8(3))。

計算:必要な排水口空間(2.4.8(3))

mm

排水の種類と施工ルール

一般の水受け容器 の排水口空間

必要な排水口空間

100mm
管径 × 2
100mm
飲料用の貯水槽の最小値
150 mm(この種別には適用しない)

⚠️ 注意

  • 出典の記載:この空間は「水受け容器その他のあふれ縁より」保持して開口するものです。管端から容器の底までではありません(2.4.8(3))
  • 出典の記載:水が飛散し支障がある場合は、それに適応した防護方法を講じます(2.4.8(3))
計算式・参考文献+

必要な排水口空間 = 管径 × 2 = 50 × 2 = 100 mm(2.4.8(3))

  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の2の4(給水、排水その他の配管設備の設置及び構造)
  • 建設省告示第1597号(昭和50年12月20日)第二(建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件)
  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)2.4.8 排水及び通気配管
  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)1.7.8 グリース阻集器
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第11条(排液処理)
  • ※ SHASE-S 217・JIS・JPF の規格の中身、および日本阻集器工業会の資料の中身は著作物のため本ページには載せていない。SHASE-S は購入が要る。JIS は日本産業標準調査会のサイトで、利用者登録してログインすれば閲覧できる(印刷・購入は不可)

※ 一般の水受け容器は管径×2。飲料用の貯水槽の場合は最小150mm以上という下限が別に掛かるため、管径×2 と 150mm の大きい方になります。

  • ・排水口空間は「あふれ縁より」の空間です。管の先端から容器の底までの距離ではありません。
  • ・飲料用の貯水槽の場合は最小150mm以上という下限が別に掛かります。管径×2 が150mmに満たないときは150mmが必要です。
  • ・水が飛散し支障がある場合は、それに適応した防護方法を講じます。

どの管種がどの排水(汚水・雑排水・雨水・通気・ドレン)に使えるかは、給排水の配管材料のページが持っています。 給排水の配管材料 を参照してください。

【合流の取り方(2.4.8(1))】

ドレン管を除き、排水横枝管等が合流する場合は、必ず45度以内の鋭角をもって水平に近く合流させる(公共建築工事標準仕様書 2.4.8(1))。

  • ・「ドレン管を除き」という限定が付いています。ドレン管はこの合流の決めごとの対象外です。この一語を落とすと意味が変わります。
  • ・「45度以内の鋭角」と「水平に近く」の2つを同時に満たす必要があります。角度だけ守れば足りるという書き方ではありません。

【通気の取り方(2.4.8(9)(10))】

  • 通気管は、排水横枝管等より垂直ないし45度以内の角度で取出し、水平に取出してはならない(公共建築工事標準仕様書 2.4.8(9))。
  • 各階の通気管を通気立て管に連結する場合は、その階の器具のあふれ縁より150mm以上の所で連結する。なお、通気立て管を伸頂通気管に連結する場合もこれによる(公共建築工事標準仕様書 2.4.8(10))。

通気管の口径そのものの計算は、通気管口径のページです。このページで扱うのは取出し角度と連結高さです。 通気管口径 を参照してください。

【種類ごとの個別ルール(2.4.8(4)〜(8)/1.7.8)】

  • ・3階以上にわたる排水立て管には、各階ごとに満水試験継手を取付ける(2.4.8(5))。
  • ・空調機のドレン管:ユニット形・コンパクト形・パッケージ形・マルチパッケージ形空気調和機及びガスエンジンヒートポンプ式空気調和機のドレン管には、送風機の全静圧以上の落差をとった空調機用トラップを設ける。トラップの形式は特記による(2.4.8(6))。
  • ・厨房排水:厨房排水及び厨房排水用通気の継手に排水鋼管用可とう継手を使用する場合は、JPF MDJ 004「ちゅう房排水用可とう継手」を使用する(2.4.8(7))。
  • ・グリース阻集器:工場製作品で実容量1,000L以下のものは、SHASE-S 217「グリース阻集器」に適合するもののほか、日本阻集器工業会グリース阻集器認定委員会の認定証票が貼付されたものによる(1.7.8)。
  • ・排水立て管の最下部は、必要に応じて支持台を設け固定する(2.4.8(4))。
  • ・水中ポンプの吐出管は、ポンプ本体に荷重がかからないよう、かつ地震動に対しても堅固に支持する。ポンプを引き上げられるよう吐出管はフランジ接合とし、逆流を防ぐ立上り部分を設ける(2.4.8(8))。

規格の中身は載せていません

本アプリの方針:SHASE-S 217「グリース阻集器」は有料の規格のため、規格の中身(寸法・容量算定式・性能値)は載せていません。ここに書いているのは「この規格に適合するものによる」という要求事項があることだけです。容量や寸法は規格本体と特記仕様書で確認してください

【有害物質を含む排液(特化則第11条)】

塩酸・硝酸・硫酸を含有する排液と、シアン化カリウム・シアン化ナトリウム・硫化ナトリウムを含有する排液が混合すると、シアン化水素又は硫化水素が発生するおそれがあります。そのおそれがあるときは、排液処理装置およびこれに通ずる排水溝・ピットを、これらの排液が混合しない構造としなければなりません(特定化学物質障害予防規則第11条第2項)。

物質ごとの処理方式の詳細は 排気の種類別 設計要件 が正本です。二重管理を避けるため、このページでは要約に留めています。

公共用水域へ放流するときの有害物質の排水基準(ふつ素・ほう素・アンモニア等・一・四―ジオキサン)は 排水基準(有害物質) にあります。特化則の排液処理とは別の法令です。

本ページに載せているのは、建築基準法施行令第129条の2の4・建設省告示第1597号(昭和50年12月20日)第二・公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)2.4.8/1.7.8・特定化学物質障害予防規則第11条の記載範囲だけです。ここにない数値・機器・管材は原文で確認してください。SHASE-S 217・JIS・JPF の規格の中身は著作物のため載せていません。JIS は日本産業標準調査会のサイトで、利用者登録してログインすれば閲覧できます(印刷・購入は不可)。