空調

排気の種類別 設計要件

2026年12月1日から有料になります(¥1,200 買い切り)詳しく

一般・厨房・有機溶剤・特定化学物質・粉じんの排気について、法令と公共建築工事標準仕様書が定めている風速・換気量・処理方式・構造要件を引く参照+計算ページです。

安全上の重要事項

排液処理装置およびこれに通ずる排水溝・ピットで、塩酸・硝酸・硫酸を含有する排液と、シアン化カリウム・シアン化ナトリウム・硫化ナトリウムを含有する排液とが混合すると、シアン化水素又は硫化水素が発生するおそれがあります。 そのおそれがあるときは、これらの排液が混合しない構造にしなければなりません(特化則第11条第2項)

確認してください

排気ダクトの材質(ステンレス・塩ビ・FRP等)を直接定めた法令も、公共建築工事標準仕様書の記載も存在しません。本アプリは材質を提示しません。材質・板厚は設計者の特記仕様書とメーカーの耐食データで決めてください

排気の種類別 設計要件

排気の種類と、材質の扱い

答え

材質を定めた出典は無い
根拠
有機則・特化則/公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)

⚠️ 注意

  • 本アプリの方針:排気ダクトの材質は提示しません。材質を直接定めた法令も公共建築工事標準仕様書の記載も存在しないためです
  • 本アプリの方針:特殊排気の材質・板厚は、設計者の特記仕様書とメーカーの耐食データで決まります
計算式・参考文献+

排気の種類と、材質の扱い → 有機則・特化則/公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版) の表引き

▶ 【排気の種類と、材質の扱い】

  • ・このページが扱うのは、法令および公共建築工事標準仕様書が数値・方式を定めている範囲だけです。
  • ・排気ダクトの材質(ステンレス SUS304・SUS316、塩化ビニル、FRP、ポリプロピレン等)を直接定めた法令も、公共建築工事標準仕様書の記載も存在しません。
  • ・公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版を全文検索しましたが、「有機排気」「薬品排気」「特殊排気」「塩化ビニル被覆」はいずれも記載がありませんでした。
  • ・厨房用排気ダクトの板厚についても、同仕様書 3.1.14 が「厨房用排気ダクトの板厚は特記による」と定めています。
  • ・したがって、特殊排気の材質・板厚は、設計者の特記仕様書とメーカーの耐食データで決まります。本アプリは材質を提示しません。
  • ・法令が持っているのは、フードの制御風速(有機則第16条)、全体換気装置の換気量(有機則第17条)、除じん方式(特化則第9条)、排ガス処理方式(特化則第10条)、排液処理(特化則第11条)、ダクトの構造要件(特化則第7条)です。このページに載せているのはそちらです。

ダクトの一般的な板厚・材料は ダクトの材料・板厚 を参照してください。

【有機溶剤の排気(有機則第16条・第17条・第18条)】

  • ・局所排気装置は、フードの型式ごとに必要な制御風速が第16条第1項の表で決まっています。囲い式フード 0.4 m/s、外付け式フードの側方吸引型 0.5 m/s、下方吸引型 0.5 m/s、上方吸引型 1.0 m/s です。
  • ・この制御風速は「局所排気装置のすべてのフードを開放した場合」の制御風速です(同表の備考)。一部のフードを閉じて測った値ではありません。
  • ・囲い式フードの制御風速は「フードの開口面における最小風速」です。平均風速ではありません。
  • ・外付け式フードの制御風速は「有機溶剤の蒸気を吸引しようとする範囲内における、フードの開口面から最も離れた作業位置の風速」です。フードの近くで測った値ではありません。
  • ・全体換気装置の必要換気量 Q[m³/min]は、作業時間1時間に消費する有機溶剤等の量 W[g/h]から求めます(第17条第1項)。第一種有機溶剤等は Q = 0.3 W、第二種有機溶剤等は Q = 0.04 W、第三種有機溶剤等は Q = 0.01 W です。
  • ・区分の異なる有機溶剤等を同時に消費するときは、区分ごとに計算した換気量を合算します(第17条第1項)。
  • ・第18条により、労働者が有機溶剤業務に従事する間、局所排気装置は上記の制御風速以上で、全体換気装置は上記の換気量以上で稼働させる義務があります。設置しただけでは足りません。

計算A:局所排気装置の必要制御風速(第16条第1項)

排気の種類別 設計要件

囲い式フード の制御風速

制御風速

0.4m/s
測る場所
フードの開口面における最小風速

⚠️ 注意

  • 法令の要求:この制御風速は「局所排気装置のすべてのフードを開放した場合」の制御風速です(有機則第16条第1項の表の備考)
  • 法令の要求:囲い式フードの制御風速は「フードの開口面における最小風速」で判断します
  • 法令の要求:労働者が有機溶剤業務に従事する間、この制御風速以上で局所排気装置を稼働させなければなりません(有機則第18条)。設置しただけでは足りません
計算式・参考文献+

囲い式フード → 制御風速 0.4 m/s(有機則第16条第1項の表引き)

  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第16条(局所排気装置の性能)
  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第17条(全体換気装置の性能)
  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第18条(換気装置の稼働)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第7条(局所排気装置等の要件)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第9条(除じん)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第10条(排ガス処理)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第11条(排液処理)
  • 労働安全衛生法施行令 別表第3 第二類物質(塩素の位置づけ)
  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)
  • 囲い式フード0.4 m/s
  • 外付け式フード 側方吸引型0.5 m/s
  • 外付け式フード 下方吸引型0.5 m/s
  • 外付け式フード 上方吸引型1.0 m/s

計算B:全体換気装置の必要換気量(第17条第1項)

g/h

排気の種類別 設計要件

第一種有機溶剤等 の必要換気量

必要換気量 Q

30m³/min
係数
0.3
消費量 W
100g/h

⚠️ 注意

  • 法令の要求:区分の異なる有機溶剤等を同時に消費するときは、区分ごとに計算した換気量を合算します(有機則第17条第1項)。このページは1区分ずつの計算です
  • 法令の要求:労働者が有機溶剤業務に従事する間、この換気量以上で全体換気装置を稼働させなければなりません(有機則第18条)
計算式・参考文献+

Q = 0.3 × W = 0.3 × 100 = 30 m³/min(第一種有機溶剤等・有機則第17条第1項)

  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第16条(局所排気装置の性能)
  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第17条(全体換気装置の性能)
  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第18条(換気装置の稼働)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第7条(局所排気装置等の要件)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第9条(除じん)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第10条(排ガス処理)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第11条(排液処理)
  • 労働安全衛生法施行令 別表第3 第二類物質(塩素の位置づけ)
  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)
  • 第一種有機溶剤等Q = 0.3 W
  • 第二種有機溶剤等Q = 0.04 W
  • 第三種有機溶剤等Q = 0.01 W

※ 区分の異なる有機溶剤等を同時に消費するときは、区分ごとに計算した換気量を合算します。この計算は1区分ずつです。

【特定化学物質の排気(特化則第7条・第9条・第10条)】

  • ・フードは、第一類物質又は第二類物質のガス・蒸気・粉じんの発散源ごとに設けます。外付け式フード・レシーバー式フードは、発散源にできるだけ近い位置に設けます(第7条第1項)。
  • ・ダクトは、長さができるだけ短く、ベンドの数ができるだけ少なく、かつ、適当な箇所に掃除口が設けられている等、掃除しやすい構造とします(第7条第1項)。
  • ・除じん装置又は排ガス処理装置を付設する局所排気装置のファンは、除じん又は排ガス処理をした後の空気が通る位置に設けます。ただし、吸引されたガス・蒸気・粉じんによる爆発のおそれがなく、かつファンの腐食のおそれがないときは、この限りではありません(第7条第1項)。
  • ・排気口は屋外に設けます(第7条第1項)。
  • ・厚生労働大臣が定める性能を有するものであることが求められます(第7条第1項)。
  • ・プッシュプル型換気装置についても、第7条第2項でほぼ同じ要件が掛かります。
  • ・除じん方式は、粉じんの粒径によって選べる方式が第9条第1項の表で決まっています。粒径が小さいほど選べる方式が絞られます。
  • ・排ガス処理方式は、第10条第1項の表がアクロレイン・弗化水素・硫化水素・硫酸ジメチルの4物質について定めています。表に無い物質については、法令上の処理方式の答えはありません。

計算C:除じん方式の選定(第9条第1項)

µm

排気の種類別 設計要件

粒径 10 µm の除じん方式

とりうる方式の数

3方式
粒径の区分
5マイクロメートル以上20マイクロメートル未満

⚠️ 注意

  • 法令の要求:この表の粒径は「重量法で測定した粒径分布において最大頻度を示す粒径」です(特化則第9条第1項の表の備考)。平均粒径ではありません
  • 法令の要求:必要に応じ、粒径の大きい粉じんを除去するための前置き除じん装置を設けます(特化則第9条第2項)
  • 法令の要求:除じん装置は有効に稼働させなければなりません(特化則第9条第3項)
計算式・参考文献+

粒径 10 µm → 5マイクロメートル以上20マイクロメートル未満(特化則第9条第1項の表引き)

  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第16条(局所排気装置の性能)
  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第17条(全体換気装置の性能)
  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第18条(換気装置の稼働)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第7条(局所排気装置等の要件)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第9条(除じん)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第10条(排ガス処理)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第11条(排液処理)
  • 労働安全衛生法施行令 別表第3 第二類物質(塩素の位置づけ)
  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)
  • →スクラバによる除じん方式
  • →ろ過除じん方式
  • →電気除じん方式
  • 5マイクロメートル未満
    • →ろ過除じん方式
    • →電気除じん方式
  • 5マイクロメートル以上20マイクロメートル未満
    • →スクラバによる除じん方式
    • →ろ過除じん方式
    • →電気除じん方式
  • 20マイクロメートル以上
    • →マルチサイクロン(処理風量が毎分20立方メートル以内ごとに一つのサイクロンを設けたものをいう。)による除じん方式
    • →スクラバによる除じん方式
    • →ろ過除じん方式
    • →電気除じん方式

※ この表の粒径は「重量法で測定した粒径分布において最大頻度を示す粒径」です。平均粒径ではありません。

計算D:排ガス処理方式の選定(第10条第1項)

排気の種類別 設計要件

アクロレイン の排ガス処理方式

処理方式

吸収方式 / 直接燃焼方式
根拠
特化則 第10条第1項

⚠️ 注意

  • 塩素は労働安全衛生法施行令別表第3の第二類物質(塩素を含有する製剤その他の物。ただし、塩素の含有量が重量の1パーセント以下のものを除く。)として特化則の対象になりますが、第10条の排ガス処理の表には掲げられていません。「塩素だからこの処理方式」という法令上の答えは存在しないため、処理方式は個別に検討してください
計算式・参考文献+

アクロレイン → 吸収方式 / 直接燃焼方式(特化則第10条第1項の表引き)

  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第16条(局所排気装置の性能)
  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第17条(全体換気装置の性能)
  • 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)第18条(換気装置の稼働)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第7条(局所排気装置等の要件)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第9条(除じん)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第10条(排ガス処理)
  • 特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)第11条(排液処理)
  • 労働安全衛生法施行令 別表第3 第二類物質(塩素の位置づけ)
  • 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)
  • アクロレイン
    • →吸収方式
    • →直接燃焼方式
  • 弗化水素
    • →吸収方式
    • →吸着方式
  • 硫化水素
    • →吸収方式
    • →酸化・還元方式
  • 硫酸ジメチル
    • →吸収方式
    • →直接燃焼方式

塩素は表にありません

塩素は労働安全衛生法施行令別表第3の第二類物質(塩素を含有する製剤その他の物。ただし、塩素の含有量が重量の1パーセント以下のものを除く。)として特化則の対象になりますが、第10条の排ガス処理の表には掲げられていません。「塩素だからこの処理方式」という法令上の答えは存在しないため、処理方式は個別に検討してください

※ ただし、局所排気装置の性能としてのフードの外側の濃度は、昭和50年労働省告示第75号 第一号に塩素〇・五立方センチメートルとして定められています。排ガス処理方式が表に無いことと、性能値が無いことは別です。値は 特定化学物質のフード外側濃度 にあります。

【排液(特化則第11条)】

混合禁止(特化則第11条第2項)

法令の要求:排液処理装置、またはこれに通ずる排水溝・ピットについて、塩酸・硝酸・硫酸を含有する排液と、シアン化カリウム・シアン化ナトリウム・硫化ナトリウムを含有する排液とが混合することによりシアン化水素又は硫化水素が発生するおそれがあるときは、これらの排液が混合しない構造としなければなりません(特化則第11条第2項)
  • ・法令の要求:排液処理装置、またはこれに通ずる排水溝・ピットについて、塩酸・硝酸・硫酸を含有する排液と、シアン化カリウム・シアン化ナトリウム・硫化ナトリウムを含有する排液とが混合することによりシアン化水素又は硫化水素が発生するおそれがあるときは、これらの排液が混合しない構造としなければなりません(特化則第11条第2項)
  • ・分けるのは配管だけの話ではありません。排液処理装置そのものに加えて、そこに通ずる排水溝・ピットも「混合しない構造」の対象です(第11条第2項)。
  • ・第11条第1項は、第一類物質を製造する設備からの排液を除く排液について、物質ごとの処理方式を定めています。
  • ・塩酸・硝酸・硫酸は中和方式です。シアン化カリウム・シアン化ナトリウムは酸化・還元方式または活性汚泥方式、硫化ナトリウムは酸化・還元方式です。
  • ・アルキル水銀化合物(アルキル基がメチル基又はエチル基である物に限る。)は酸化・還元方式、ペンタクロルフェノール(別名PCP)及びそのナトリウム塩は凝集沈でん方式です。
  • ・酸(塩酸・硝酸・硫酸)とシアン化合物・硫化ナトリウムが同じ排水溝に流れる計画になっていないか、系統図の段階で確認してください。

第11条第1項 排液の処理方式

この表は、第一類物質を製造する設備からの排液を除く排液についてのものです(特化則第11条第1項)。

  • アルキル水銀化合物(アルキル基がメチル基又はエチル基である物に限る。)
    • →酸化・還元方式
  • 塩酸
    • →中和方式
  • 硝酸
    • →中和方式
  • シアン化カリウム
    • →酸化・還元方式
    • →活性汚泥方式
  • シアン化ナトリウム
    • →酸化・還元方式
    • →活性汚泥方式
  • ペンタクロルフェノール(別名PCP)及びそのナトリウム塩
    • →凝集沈でん方式
  • 硫酸
    • →中和方式
  • 硫化ナトリウム
    • →酸化・還元方式

【厨房排気(公共建築工事標準仕様書 機械設備工事編 令和7年版)】

  • ・厨房用排気ダクトの板厚は「特記による」(3.1.14 の但し書き)。一般のダクト板厚表をそのまま当てないこと。
  • ・厨房の排気ダクトは、ダクト内の点検が可能な措置を講ずる。
  • ・厨房・浴室等の多湿箇所の排気用の長方形ダクトは、Nシール+Aシール+Bシールとする。
  • ・グリスフィルター等の材質は、ステンレス鋼板又は同等以上の耐熱性・耐食性・強度を有する不燃材料とする。
  • ・排気フード内での油脂分等の除去率は、遠心力により分離する方式は90パーセント以上、付着させる方式は75パーセント以上とする。
  • ・付着させる方式は、排気ダクト接続部の温度が180℃に達するまで炎が排気ダクトに至らない構造とする。
  • ・厨房排気用ダクトは保温の対象になりうる(第2章の保温を適用する範囲の列挙に「厨房排気用ダクト」がある)。

※ 厨房用排気ダクトの板厚は特記によるため、ダクトの材料・板厚の一般の板厚表をそのまま当てないでください。

ダクト内・ピット・タンク内・マンホール・不活性ガスを送る配管まわりの作業は 酸素欠乏の危険作業 を参照してください。

本ページに載せているのは、有機溶剤中毒予防規則・特定化学物質障害予防規則・労働安全衛生法施行令別表第3・公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版(修補版)の記載範囲だけです。ここにない物質・数値・材質は原文で確認してください。