現場実務

酸素欠乏の危険作業

2026年12月1日から有料になります(¥1,200 買い切り)詳しく

ダクト・ピット・タンク・マンホール・不活性ガスを送る配管まわりの作業で、酸素欠乏症等防止規則が求める「やることの順番」を並べる参照ページです。濃度を計算するページではありません。

救出する人も、空気呼吸器等を着けてから

原文:「酸素欠乏症等にかかつた作業従事者を酸素欠乏等の場所において救出する作業に労働者を従事させるときは、当該救出作業に従事する労働者に空気呼吸器等を使用させなければならない」(第16条)。 倒れた人を助けに入った人が、そのまま一緒に被災する災害が起きています。救出に入る人にも空気呼吸器等を使用させます。

【ことばの意味(第2条)】

18%は「入ってよい線」ではありません

  • 十八パーセント以上は、換気して保つ目標です(第5条)。測って超えたから入ってよい、という意味の数字ではありません。
  • 測定は、その日の作業を開始する前に行います(第3条)。
  • 作業中は監視人等を置き、異常があつたときに直ちに通報させます(第13条)。
  • 全員が場所を離れた後再び作業を開始する前、身体・換気装置等に異常があつたときは、あらためて測定させます(第11条)。
  • 酸素欠乏等のおそれが生じたときは、直ちに作業を中止して退避させます(第14条)。

酸素欠乏の危険作業

この作業で要るもの

区分

区分不明(第二種として)/換気できる
測定するもの
酸素の濃度・硫化水素の濃度
換気の目標(保つ)
酸素の濃度を十八パーセント以上、かつ、硫化水素の濃度を百万分の十以下に保つように換気しなければなりません(第5条)。
作業主任者の講習
酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者
空気呼吸器等
第7条により、その日の作業を開始する前に点検します。救出作業では第16条により必ず使用させます。
再測定
全員が場所を離れた後再び作業を開始する前/身体、換気装置等に異常があつたとき(第11条)
救出するとき(第16条)
救出作業に従事する労働者にも空気呼吸器等を使用させます(第16条)。

⚠️ 注意

  • 法令の要求:救出作業に従事する労働者に空気呼吸器等を使用させなければなりません(第16条)
  • 法令の要求:測定は その日の作業を開始する前 に行い、そのつど7事項を記録して三年間保存します(第3条)
  • 法令の要求:換気が行われるときは、純酸素を使用してはならない(第5条第3項)
  • 法令の要求:第二種の作業主任者は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者です。酸素欠乏危険作業主任者技能講習だけでは足りません(第11条)
  • 本アプリの方針:区分が分からないときは第二種として並べています。第二種の要求は第一種の要求を含むためです。令別表第六で区分を確認してください
計算式・参考文献+

まだ分からない(令別表第六で確認する) × 換気できる(原則) → 酸素欠乏症等防止規則の要求の引き当て

【やることの順番】

チェックの状態は端末に保存されません。記録が必要な場合は印刷・PDF保存してください。

1. 作業の前に決めておくこと

  • 作業の区分を確認する

    第一種か第二種かで、測るもの・作業主任者の講習・特別の教育の読み替えが変わります(第2条)。区分は令別表第六で確認します。

  • 作業主任者を選任する

    第一種と第二種で修了していなければならない技能講習が違います(第11条)。

  • 特別の教育を行う

    第一種は5科目(第12条)。第二種は「酸素欠乏」を「酸素欠乏等」、「酸素欠乏症」を「酸素欠乏症等」と読み替えます。

  • 測定器具を用意する

    測定を行うため必要な測定器具を備え、又は容易に利用できるような措置を講じておかなければなりません(第4条)。

  • 換気の方法を決める

    原則は換気です。換気できないのは、爆発、酸化等を防止するため換気することができない場合、又は作業の性質上換気することが著しく困難な場合に限られます(第5条)。

  • 空気呼吸器等をそろえる

    前条第1項ただし書の場合においては、同時に就業する労働者の人数と同数以上の空気呼吸器等(空気呼吸器、酸素呼吸器又は送気マスク)を備え、労働者にこれを使用させなければなりません(第5条の2)。

  • 監視人等を置く

    常時作業の状況を監視し、異常があつたときに直ちに通報する者を置く等、異常を早期に把握するために必要な措置を講じなければなりません(第13条)。

  • 不活性気体を送給する配管があるときの措置

    バルブ若しくはコックの閉止又は閉止板、施錠、開放してはならない旨の表示、配管内の不活性気体の名称及び開閉の方向の表示(第22条)。

2. その日の作業を開始する前

  • 酸素(第二種は酸素及び硫化水素)の濃度を測定する

    その日の作業を開始する前に測定します(第3条・第11条)。

  • 測定結果を記録する

    測定は その日の作業を開始する前 に行い、そのつど記録して三年間保存します(第3条)。

  • 保護具等を点検する

    空気呼吸器等・要求性能墜落制止用器具等は、その日の作業を開始する前に点検し、異常を認めたときは、直ちに補修し、又は取り替えなければなりません(第7条)。

  • 立入禁止を表示する

    作業に従事する者以外の者の立入りを、見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止しなければなりません(第9条)。

  • 換気する

    換気が行われるときは、純酸素を使用してはならない(第5条第3項)。

3. 入場・退場のとき

  • 人員を点検する

    労働者を入場させ、及び退場させる時に、人員を点検しなければなりません(第8条)。

  • 転落のおそれがあるとき

    酸素欠乏症等にかかつて転落するおそれのあるときは、要求性能墜落制止用器具等を使用させ、これを安全に取り付けるための設備等も設けなければなりません(第6条)。

4. 作業中

  • 監視を続ける

    常時作業の状況を監視し、異常があつたときに直ちに通報する者を置く等、異常を早期に把握するために必要な措置を講じなければなりません(第13条)。

  • 全員が場所を離れた後、再び作業を開始する前に測る

    作業に従事するすべての労働者が作業を行う場所を離れた後再び作業を開始する前に測定させます(第11条)。

  • 身体・換気装置等に異常があつたときに測る

    労働者の身体、換気装置等に異常があつたときに測定させます(第11条)。

5. おそれが生じたとき・救出

  • 直ちに作業を中止して退避させる

    酸素欠乏等のおそれが生じたときは直ちに作業を中止し、労働者をその場所から退避させなければなりません。おそれがないことを確認するまで、特に指名した者以外の立入りを禁止し、その旨を見やすい箇所に表示します(第14条)。

  • 救出に入る人にも空気呼吸器等を使用させる

    酸素欠乏症等にかかつた作業従事者を酸素欠乏等の場所において救出する作業に労働者を従事させるときは、当該救出作業に従事する労働者に空気呼吸器等を使用させなければならない(第16条)。

【換気の原則とただし書き(第5条・第5条の2)】

▶ 原則:換気する(第5条第1項)

酸素の濃度を十八パーセント以上、かつ、硫化水素の濃度を百万分の十以下に保つように換気しなければなりません(第5条)。

第3項(原文):「前二項の規定により換気が行われるときは、純酸素を使用してはならない。」

ただし書き:換気することができない場合(第5条第1項ただし書)

原文:「ただし、爆発、酸化等を防止するため換気することができない場合又は作業の性質上換気することが著しく困難な場合は、この限りでない。」

※ 当たるのは爆発、酸化等を防止するため換気することができない場合、又は作業の性質上換気することが著しく困難な場合だけです。 手間や工程を理由にこちらへ寄せる条文ではありません。

ただし書きのときに掛かるもの(第5条の2)

前条第1項ただし書の場合においては、同時に就業する労働者の人数と同数以上の空気呼吸器等(空気呼吸器、酸素呼吸器又は送気マスク)を備え、労働者にこれを使用させなければなりません(第5条の2)。

【配管があるときの追加措置(第22条・第22条の2・第23条・第23条の2)】

第22条 ガス漏出防止措置(不活性気体を送給する配管があるところ)

  • 1バルブ若しくはコックを閉止し、又は閉止板を施すこと。
  • 2前号により閉止したバルブ若しくはコック又は施した閉止板には施錠をし、これらを開放してはならない旨を見やすい箇所に表示すること。

※ 誤操作による不活性気体の漏出を防止するため、配管内の不活性気体の名称及び開閉の方向を表示しなければならない(第22条第2項)。

第22条の2 ガス排出に係る措置

原文:「タンク、反応塔等の容器の安全弁等から排出される不活性気体が流入するおそれがあり、かつ、通風又は換気が不十分である場所における作業に労働者を従事させるときは、当該安全弁等から排出される不活性気体を直接外部へ放出することができる設備を設ける等当該不活性気体が当該場所に滞留することを防止するための措置を講じなければならない」

第23条 空気の稀薄化の防止

その内部の空気を吸引する配管(換気用のものを除く)に通ずるタンク、反応塔その他密閉して使用する施設又は設備の内部における作業では、出入口の蓋又は扉が締まらないような措置を講じなければなりません(第23条)。

第23条の2 ガス配管工事に係る措置(地下室・溝の内部その他通風が不十分な場所で、メタン・エタン・プロパン・ブタンを主成分とするガス/これに空気を混入したガスを送給する配管を取り外し、又は取り付ける作業)

  • 1これらのガスが流入しないように当該ガスを確実に遮断すること
  • 2酸素の濃度を十八パーセント以上に保つように換気し、又は労働者に空気呼吸器等を使用させること

【資格と教育(第11条・第12条)】

第一種の作業主任者(第11条)

酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者

▶ 第二種の作業主任者(第11条)

酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者

※ 法令の要求:第二種の作業主任者は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者です。酸素欠乏危険作業主任者技能講習だけでは足りません(第11条)

作業主任者に測定させる3場面(第11条)

  • ・その日の作業を開始する前
  • ・作業に従事するすべての労働者が作業を行う場所を離れた後再び作業を開始する前
  • ・労働者の身体、換気装置等に異常があつたとき

特別の教育の科目(第12条・第一種の5科目)

  • 1酸素欠乏の発生の原因
  • 2酸素欠乏症の症状
  • 3空気呼吸器等の使用の方法
  • 4事故の場合の退避及び救急そ生の方法
  • 5その他必要な事項

※ 第二種酸素欠乏危険作業では、「酸素欠乏」を「酸素欠乏等」、「酸素欠乏症」を「酸素欠乏症等」と読み替えます(第12条)。

【測定の記録(第3条)】

測定は その日の作業を開始する前 に行い、そのつど記録して三年間保存します(第3条)。

  • 1測定日時
  • 2測定方法
  • 3測定箇所
  • 4測定条件
  • 5測定結果
  • 6測定を実施した者の氏名
  • 7測定結果に基づいて酸素欠乏症等の防止措置を講じたときは、当該措置の概要

※ 「測定条件」「測定方法」も記録事項です。 結果の数字だけを残した記録は、この条を満たしません。保存は三年間です。

排気装置そのものの検査は 局所排気装置の法定検査 を、窒素等のボンベ・配管の色や表示は 医療ガス設備の基本 を参照してください。

本ページに載せているのは、酸素欠乏症等防止規則(昭和47年労働省令第42号)の記載範囲だけです。令別表第六(場所の一覧)は載せていません。 ここにない数値・条文・様式は原文で確認してください。チェック状態は端末に保存されません。