給排水

医療ガス設備の基本

2026年12月1日から有料になります(¥1,200 買い切り)詳しく

医療ガスの種類、ボンベの塗色と設備の識別色の違い、点検、工事完了後の確認、ボンベの保管・使用を、厚生労働省通知と容器保安規則から引く参照ページです。

確認してください

配管サイズの選定と標準圧力の数値は JIS T 7101「医療ガス設備」の内容です。有料の規格のため本ページには載せていません。数値が要る場面では推測で埋めず、規格本体で確認してください

医療ガス設備の基本

ボンベの塗色と設備の識別色

答え

酸素はボンベ黒色・設備の識別色は緑色
根拠
容器保安規則 第10条/令和2年8月17日 医政発0817第6号(参考)

⚠️ 注意

  • 酸素はボンベ黒色/設備の識別色は緑色、二酸化炭素はボンベ緑色/設備の識別色は橙色です。色だけで判断せず、医薬品ラベル等で種類を確認してください
  • 特に、酸素ボンベの塗色の違いに留意し、二酸化炭素ボンベとの誤認・取り違えを防いでください(通知の警告)
  • 設備側の識別色は、通知が引用している酸素と二酸化炭素の2つだけを載せています。他のガスは JIS T 7101 の内容のため載せていません
計算式・参考文献+

ボンベの塗色と設備の識別色 → 容器保安規則 第10条/令和2年8月17日 医政発0817第6号(参考) の表引き

▶ 【ボンベの塗色と設備の識別色は違う(容器保安規則第10条/通知の参考)】

ボンベの塗色と医療ガス設備の識別色の対比(厚生労働省通知が引用しているもの)

医療ガスの種類ボンベの塗色設備の識別色
酸素黒色緑色
二酸化炭素緑色橙色

※ 特に、酸素ボンベの塗色の違いに留意し、二酸化炭素ボンベとの誤認・取り違えを防ぐこと。

本ページに載せている医療ガス設備の識別色は、厚生労働省通知が本文中に引用している酸素と二酸化炭素の2つだけです。それ以外のガスの識別色は JIS T 7101「医療ガス設備」の内容であり、有料の規格のため本ページには載せていません。規格本体で確認してください。

容器保安規則 第10条第1号 の塗色(高圧ガスの種類 → 容器の塗色)

高圧ガスの種類塗色
酸素ガス黒色
水素ガス赤色
液化炭酸ガス緑色
液化アンモニア白色
液化塩素黄色
アセチレンガスかつ色
その他の種類の高圧ガスねずみ色

※ 規則でいう「液化炭酸ガス」が、通知でいう「二酸化炭素」にあたります。 用語が違うだけで同じガスです。

容器の外面の見やすい箇所に、容器の表面積の二分の一以上について塗色を行う。ただし、着色加工していないアルミニウム製・アルミニウム合金製及びステンレス鋼製の容器等は、この限りでない(同号ただし書き)。

  • ・ボンベの塗色と医療ガス設備の識別色は別の決まりで、同じガスでも色が違う。ボンベの塗色は高圧ガス保安法に基づく容器保安規則、設備の識別色は JIS T 7101「医療ガス設備」で規定されている。通知はこの違いを理解することを求めている。
  • ・酸素は、ボンベの塗色が黒色、医療ガス設備の識別色が緑色。
  • ・二酸化炭素は、ボンベの塗色が緑色、医療ガス設備の識別色が橙色。
  • ・つまり「緑色」はボンベでは二酸化炭素、設備では酸素を指す。色だけで判断すると取り違える。
  • ・通知の警告そのもの。特に、酸素ボンベの塗色の違いに留意し、二酸化炭素ボンベとの誤認・取り違えを防ぐこと。
  • ・容器保安規則第10条第1号は、高圧ガスの種類ごとの塗色を、容器の外面の見やすい箇所に、容器の表面積の二分の一以上について行うものとしている。塗色の面積まで決まっている点に注意。
  • ・同条第2号により、容器の外面には、充塡することができる高圧ガスの名称を明示する。さらに可燃性ガスには「燃」、毒性ガスには「毒」の文字(当該高圧ガスの性質を示す文字)を明示する。
  • ・色に頼らず医薬品ラベル等で医療ガスの種類を確認すること。通知は、日本麻酔科学会、日本医療ガス学会及び日本産業・医療ガス協会の三者合同会議の合意事項として、医療ガス誤認防止のため、ボンベのガス種を確認する際にはまず医薬品ラベルによる確認を行うことを推奨している。
  • ・その医薬品ラベルの色(小型ボンベ)。二酸化炭素ボンベ(2.2kg)は橙色、酸素ボンベ(500L)は白色。
  • ・本ページに載せている医療ガス設備の識別色は、通知が本文中に引用している酸素と二酸化炭素の2つだけ。他のガスの識別色は JIS T 7101 の内容のため載せていない。

【医療ガスの種類と位置づけ(通知/医療法施行規則第16条第1項第1号)】

  • ・通知でいう医療ガスとは、酸素、亜酸化窒素、治療用空気、吸引、二酸化炭素、手術機器駆動用窒素等をいう。吸引も医療ガスに含まれている点に注意。
  • ・医療ガス設備とは、病院及び診療所(通知でいう「病院等」)における医療ガスに関する構造設備をいう。
  • ・医療ガス設備については、医療法施行規則第16条第1項第1号の規定に基づき、危害防止上必要な方法を講ずることとされている。これが医療ガス設備の位置づけの出発点。
  • ・病院等の管理者は、医療法施行規則第1条の11第1項第3号の規定に基づき、医療に係る安全管理のための職員研修を実施することとされている。
  • ・麻酔器、人工呼吸器等を設置し医療ガスを使用して診療を行う場合、病院等の管理者は医療ガス安全管理委員会を設置するなど、医療ガスに係る安全管理のための体制を確保する。委員会の業務は、医療ガス設備の保守点検業務、工事(新設・増設工事、部分的な改造、修理等)の施工監理業務、職員研修等。
  • ・委員会は、保守点検業務と工事の施工監理業務を行う責任者(実施責任者)を定め、委員に含める。実施責任者には、医療ガス設備の正しい施工・取扱方法及び高圧ガス(特に酸素ガスと他の医療ガス)の誤接続の危険性について熟知し、医療ガスに関する専門知識と技術を有する者(高圧ガス保安法第28条第2項に規定する特定高圧ガス取扱主任者等)を任ずる。
  • ・この通知により、平成29年9月6日付け医政発0906第3号通知は廃止されている。古い通知の記述を参照しないこと。
  • ・各ガスの標準圧力の数値と配管サイズの選定は JIS T 7101 の内容のため本ページには載せていない。

【点検(通知 別添2 保守点検指針)】

  • ・保守点検業務は、始業点検、日常点検及び定期点検からなる。日常点検及び定期点検については記録を作成し、保存する。この際の保存期間は2年間とすること。
  • ・別添1でも同じ。委員会は帳簿を備え、行われた日常点検及び定期点検についての記録を保存し、保存期間は2年間とする。
  • ・始業点検とは、患者に使用する医療機器を配管端末器(アウトレット)に接続する前に、当該配管端末器(アウトレット)に異常がないことを確認すること。医療機器を接続する前及び接続した際に確認する。
  • ・始業点検で確認する点は5つ。外観上の異常がないこと/ロック機能に異常がないこと/ガス漏れの音がしないこと/医療ガスの種別の表示(記号、名称、識別色等)が明瞭であること/配管端末器(アウトレット)に、使用していない機器等が接続されていないこと。
  • ・日常点検は、1日1回以上実施すること。なお、高圧ガス容器の交換時又は供給設備への医療ガス補充時にも同様の点検作業を実施する。交換・補充のたびに点検が要る点を落とさない。
  • ・日常点検は、警報表示盤、供給設備(マニフォールド、定置式超低温液化ガス貯槽(CE)、圧縮空気供給装置及び吸引供給装置)のそれぞれに対し、通知の様式1-1から様式1-3までのチェックリストに準拠して実施する。点検後は、点検作業を実施した全ての医療ガス設備が安全で、かつ所定の機能が復旧していることを確認する。
  • ・定期点検は、配管端末器(アウトレット)、区域別遮断弁(シャットオフバルブ)及び供給設備のそれぞれに対し、通知の様式2-1から様式2-6までのチェックリストに準拠して行う。点検作業の間隔についても、これらの様式に準拠する。対象と間隔は様式で確認すること。
  • ・定期点検の実施に当たっては、病院等内の関係する各臨床部門の職員に対して、実施日程と実施内容を周知徹底する。
  • ・点検作業のため医療ガス設備の一部を一時閉止する際は、関係する区域の各臨床部門の職員と事前に十分な打合せを行う。また、医療ガスを停止した区域別遮断弁(シャットオフバルブ)又は主遮断弁(メインシャットオフバルブ)及びその系統の全ての配管端末器(アウトレット)に、「使用禁止」等の注意表示を付する。
  • ・工事施工者が医療ガス設備の完成に当たって、完成図と共に保守点検要領書を提出している場合は、これを常備しておくこと。
  • ・点検作業の終了後は、設備が正常に動作することを確認すること。

【工事のときに施工者がやること(通知 別添3 工事施工監理指針)】

  • ・医療ガス設備に用いられる機材を医療ガスの種別により特定化し、工事の施工者が医療ガスの種別の容易かつ確実な判別を可能とすることによって、種別の異なる医療ガス間の非互換性を確保し、誤接続を防止すること。工事施工監理の第一の柱。
  • ・適正な使用材料及び部品を選定し、また清潔を維持するために必要な対応を行うこと。
  • ・既に使用している医療ガス設備の工事を行う場合は、既存部分への供給異常や汚染の防止に特に注意すること。改修工事で最も効くのがここ。
  • ・工事に当たっては、病院等内の各臨床部門の職員に工事を実施する旨を周知徹底すること。
  • ・医療ガス設備の工事完了の際には、臨床使用に先立って、全ての配管端末器(アウトレット)に不備がなく、安全で、かつ所定の機能を備えていることを確認すること。抜き取りではなく全てのアウトレット。
  • ・工事施工者は、各系統の医療ガス設備において、医療ガスが正常に使用できる状態であることを確認する。正常に使用できる状態とは次の4つ。①定置式超低温液化ガス貯槽(CE)に液化酸素が充塡されていること②マニフォールド関連のボンベが全て接続されていること③医療ガス設備に関連する機器類に必要な電源設備が正常であり、給排水に異常がないこと④通常運転が可能で、各配管端末器(アウトレット)に医療ガスが送気されていること。
  • ・実施責任者等は、臨床使用に先立って、全ての供給設備を稼働させ、個々の配管端末器(アウトレット)ごとに、①外観②機械的円滑性③送気圧力(標準圧力)④ガス別特定⑤流量性能の5項目を確認する。
  • ・②機械的円滑性は、決められたアダプタで着脱に支障がなく堅固に固定されることに加えて、他のアダプタが接続できないことまで確認する。誤接続防止の実地確認にあたる。
  • ・④ガス別特定は、供給された医療ガスの酸素濃度等で判別された種類、アウトレットに表示されたガス名及び識別色の3つが一致していること。
  • ・⑤流量性能は、標準送気圧力範囲内にあるアウトレットから最低流量を放出した時、圧力変動が最大変動圧力以下であること。最低流量と最大変動圧力の2つで見る。
  • ・実施責任者等は、工事施工者が配管端末器(アウトレット)の確認を行う際に立ち会い、工事施工者と共に不備がないことを確認する。確認終了後、実施責任者等は工事施工者が作成する検査書に署名・捺印し、委員会に提出する。施工者側は検査書を用意する前提で段取りすること。
  • ・③の標準圧力の具体的な数値は JIS T 7101 の内容のため本ページには載せていない。配管サイズの選定基準も同様。

配管端末器(アウトレット)ごとに確認する5項目

項目確認内容
① 外観配管端末器(アウトレット)が外観上正しく設置されていること。
② 機械的円滑性試験用の器具ごとに決められたアダプタを差し込んだ時、着脱に支障がなく、堅固に固定されること。また、他のアダプタが接続できないこと。
③ 送気圧力(標準圧力)送気圧力が標準圧力の範囲内であること。標準圧力の具体的な数値は JIS T 7101 の内容のため本ページには載せていない。
④ ガス別特定配管端末器(アウトレット)に供給された医療ガスの、酸素濃度等で判別された種類、配管端末器(アウトレット)に表示されたガス名及び識別色が一致していること。
⑤ 流量性能(配管端末器(アウトレット)最低流量と最大変動圧力)標準送気圧力範囲内にある配管端末器(アウトレット)から最低流量を放出した時、圧力変動が最大変動圧力以下であること。

【ボンベの保管・使用(通知(参考)医療ガスボンベの安全管理に関する留意点)】

  • ・保管。充塡されたボンベと空ボンベを区別して、ボンベ保管場所に保管すること。また、種別が異なる医療ガスのボンベは、区別して保管すること。
  • ・保管。ボンベ保管場所には、計量器等作業に必要な物以外の物を置かないこと。また、酸素、亜酸化窒素等支燃性ガスのボンベの保管場所の周囲2m以内においては、火気を使用せず、引火性又は発火性の物を置かないこと。
  • ・保管。ボンベは、直射日光の当たらない場所で、常に温度を40℃以下に保つこと。
  • ・保管。ボンベには、転落、転倒等による衝撃及び容器弁(ボンベバルブ)の損傷を防止する措置を講じ、粗暴な取扱いをしないこと。
  • ・保管。エチレンオキシドガス等の可燃性又は毒性ガスのボンベは、風通しの良い場所に保管すること。
  • ・使用。ボンベの容器弁(ボンベバルブ)は、静かに開閉すること。
  • ・使用。転落、転倒等による衝撃及び容器弁(ボンベバルブ)の損傷を受けないよう、粗暴な取扱いをしないこと。
  • ・使用。容器弁(ボンベバルブ)及び圧力調整器に油脂類を付着させないこと。油脂類は明確に禁止されている。
  • ・強い磁場を発生する医療機器がある区域には、磁性体のボンベ、ボンベ運搬車、流量計等を持ち込まないこと。
  • ・使用。酸素ガスを使用する際には、設備(家庭用設備を除く。)の周囲5m以内において、喫煙及び火気の使用を禁じ、引火性又は発火性の物を置かないこと。ただし、医療行為のために必要な場合にやむを得ず使用する場合は、使用流量に厳重な注意を払うこと。
  • ・距離の取り違えに注意。支燃性ガスのボンベ保管場所は周囲2m以内、酸素ガス使用時の設備の周囲は5m以内。数字が別なので混同しないこと。
  • ・使用後は、容器弁(ボンベバルブ)を閉じること。
  • ・ボンベの使用に当たっては、容器弁(ボンベバルブ)と圧力調整器との接続部位を含め、医療ガスの患者への投与経路における全ての接続部位について、着脱するごとに、正しい医療ガスが患者に投与されていることを確認すること。
  • ・ボンベ内のガス残量の確認方法及び使用可能な時間の判断方法を理解すること。
  • ・ボンベの長期留置又は放置による事故の発生及び空ボンベの誤使用を防止するため、医療ガス納入業者と協議の上、納入時期を明示するなどして定期的にボンベの点検及び管理を行うこと。
  • ・停電、断水等の不測の事態及び地震、洪水等の災害の発生に備え、適切な貯蔵量を確保すること。
  • ・ボンベの保管及び使用に際しては、高圧ガス保安法を遵守すること。

【本ページに載せていないもの】

配管サイズの選定基準と標準圧力の数値は JIS T 7101「医療ガス設備」の内容です。有料の規格のため本ページには載せていません。サイズ・圧力の数値が要る場面では、推測で埋めずに規格本体で確認してください。

本ページに載せている医療ガス設備の識別色は、厚生労働省通知が本文中に引用している酸素と二酸化炭素の2つだけです。それ以外のガスの識別色は JIS T 7101「医療ガス設備」の内容であり、有料の規格のため本ページには載せていません。規格本体で確認してください。

高圧ガス保安法側の配管の構造要件(毒性ガスの接合・特殊高圧ガスの二重管)は 高圧ガス配管の構造要件 を参照してください。

ダクト内・ピット・タンク内・マンホール・不活性ガスを送る配管まわりの作業は 酸素欠乏の危険作業 を参照してください。

本ページに載せているのは、厚生労働省通知「医療ガスの安全管理について」(令和2年8月17日 医政発0817第6号)と容器保安規則第10条の記載範囲だけです。ここにない数値・色・様式は原文で確認してください。なお、この通知により平成29年9月6日付け医政発0906第3号通知は廃止されています。