現場実務

産業廃棄物の基本

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建設工事で誰が排出事業者になるか、何が産業廃棄物か、保管・委託・マニフェスト・処理の流れの決まりを条文から引く参照ページです。

確認してください

保管基準の具体的な要件、品目の区分の判断、委託先が許可業者かどうかの確認は、所管の都道府県・政令市の指導が優先します。判断に迷うものは必ず事前に窓口へ確認してください

産業廃棄物の基本

誰が排出事業者か

答え

原則は元請業者
条文
廃棄物処理法 第21条の3

⚠️ 注意

  • 下請が自ら運搬・処分を他人に委託する場合は、下請が事業者とみなされマニフェスト交付義務を負うことがあります(法第21条の3第4項)
  • 下請負人が自ら運搬する場合の例外規定があるため、請負契約書と併せて確認してください
計算式・参考文献+

誰が排出事業者か → 廃棄物処理法 第21条の3 の表引き

▶ 【誰が排出事業者か(法第21条の3)】

  • ・土木建築に関する工事(工作物の全部又は一部を解体する工事を含む)が数次の請負によつて行われる場合、当該建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理についてのこの法律の適用については、当該建設工事(他の者から請け負つたものを除く。)の注文者から直接建設工事を請け負つた建設業を営む者(元請業者)を事業者とする(第1項)。
  • ・ただし下請負人が行う保管に関しては、下請負人もまた事業者とみなして第12条第2項等を適用する(第2項)。
  • ・建設工事に伴い生ずる廃棄物(環境省令で定めるものに限る)について、書面による請負契約で定めるところにより下請負人が自らその運搬を行う場合の例外規定がある(第3項)。詳細な要件があるため請負契約書と併せて確認すること。
  • ・「元請業者=排出事業者」で終わりではない。建設工事に伴い生ずる廃棄物について下請負人がその運搬又は処分を他人に委託する場合には、第12条の3(管理票)等の適用について当該下請負人を事業者とみなし、当該廃棄物を当該下請負人の廃棄物とみなす(第4項)。つまり下請の立場でも自らマニフェストの交付義務者になる場面がある。
  • ・第4項には除外がある。当該廃棄物が産業廃棄物であり、かつ当該下請負人が産業廃棄物収集運搬業者・産業廃棄物処分業者(特別管理を含む)である場合において、元請業者から委託を受けた当該廃棄物の運搬又は処分を他人に委託するときは、第4項のみなしの対象外。自社がどちらに当たるかを条文で確認すること。

【産業廃棄物の種類(法第2条第4項第1号+施行令第2条・全20種)】

法第2条第4項第1号が直接掲げる6種と、施行令第2条が定める14項目(第1号〜第13号・第4号の2を含む)で、あわせて全20種です。

設備工事で出やすいもの(11種)

  • 汚泥設備
    法第2条第4項第1号

    品目固有の限定なし(下記の共通の前提は掛かる)

  • 廃油設備
    法第2条第4項第1号

    品目固有の限定なし(下記の共通の前提は掛かる)

  • 廃酸設備
    法第2条第4項第1号

    品目固有の限定なし(下記の共通の前提は掛かる)

  • 廃アルカリ設備
    法第2条第4項第1号

    品目固有の限定なし(下記の共通の前提は掛かる)

  • 廃プラスチック類設備
    法第2条第4項第1号

    品目固有の限定なし(下記の共通の前提は掛かる)

  • 紙くず※限定あり設備
    施行令第2条第1号

    限定:建設業に係るもの(工作物の新築・改築・除去に伴つて生じたものに限る)、パルプ、紙又は紙加工品の製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。)、出版業(印刷出版を行うものに限る。)、製本業及び印刷物加工業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが塗布され、又は染み込んだものに限る

  • 木くず※限定あり設備
    施行令第2条第2号

    限定:建設業に係るもの(工作物の新築・改築・除去に伴つて生じたものに限る)、木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業及び物品賃貸業に係るもの、貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る

  • 繊維くず※限定あり設備
    施行令第2条第3号

    限定:建設業に係るもの(工作物の新築・改築・除去に伴つて生じたものに限る)、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)に係るもの及びポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る

  • 金属くず設備
    施行令第2条第6号

    品目固有の限定なし(下記の共通の前提は掛かる)

  • ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず※除外あり設備
    施行令第2条第7号

    限定:コンクリートくずは、工作物の新築・改築・除去に伴つて生じたものを除く(それらは第9号のがれき類)

  • 工作物の新築・改築・除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物(第9号・いわゆるがれき類)※限定あり設備
    施行令第2条第9号

    限定:工作物の新築・改築・除去に伴つて生じたものであること

その他の品目も見る(9種・全20種を掲載)
  • 燃え殻
    法第2条第4項第1号

    品目固有の限定なし(下記の共通の前提は掛かる)

  • 食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物
    施行令第2条第4号

    限定:食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物であること

  • 獣畜及び食鳥に係る固形状の不要物
    施行令第2条第4号の2

    限定:と畜場法第三条第二項に規定すると畜場においてとさつし、又は解体した同条第一項に規定する獣畜及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第二条第六号に規定する食鳥処理場において食鳥処理をした同条第一号に規定する食鳥に係る固形状の不要物であること

  • ゴムくず
    施行令第2条第5号

    品目固有の限定なし(下記の共通の前提は掛かる)

  • 鉱さい
    施行令第2条第8号

    品目固有の限定なし(下記の共通の前提は掛かる)

  • 動物のふん尿
    施行令第2条第10号

    限定:畜産農業に係るものに限る

  • 動物の死体
    施行令第2条第11号

    限定:畜産農業に係るものに限る

  • ばいじん
    施行令第2条第12号

    限定:大気汚染防止法第二条第二項に規定するばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法第二条第二項に規定する特定施設又は第12号イ〜トに掲げる廃棄物の焼却施設において発生するばいじんであつて、集じん施設によつて集められたものに限る

  • 上記の廃棄物を処分するために処理したもの(中間処理後の残さ)
    施行令第2条第13号

    限定:燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、前各号に掲げる廃棄物又は法第2条第4項第2号に掲げる廃棄物を処分するために処理したものであつて、これらの廃棄物に該当しないものであること

※ 紙くず・木くず・繊維くず は、建設業では「工作物の新築・改築・除去に伴つて生じたもの」だけが産業廃棄物です。それ以外は事業系一般廃棄物になりうるため、扱いが変わります。

※ 第7号のコンクリートくずは工事に伴うものを除き、第9号のがれき類はそれに限ります。向きが逆なので取り違えないでください。

「設備」の印は探しやすくするための目印で、条文の区分ではありません。印のない品目でも、出れば同じく産業廃棄物です。個々の限定条件は施行令第2条の原文で確認してください。

  • ・産業廃棄物は、まず法第2条第4項第1号が「燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類」の6種を直接掲げ、残りを「その他政令で定める廃棄物」として施行令第2条に委ねている。施行令第2条は第1号から第13号(第4号の2を含む)まで14項目を定めており、あわせて20種になる。
  • ・いずれも「事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち」という前提が法第2条第4項第1号に掛かる。家庭から出た同じものは産業廃棄物ではない。
  • ・紙くず(第1号)・木くず(第2号)・繊維くず(第3号)は、建設業では「工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る」。それ以外は事業系一般廃棄物になりうるため、扱いが変わる。
  • ・木くず(第2号)には「貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの」も含まれる。機器の搬入に使ったパレットは業種を問わず産業廃棄物になる。
  • ・ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(第7号)は、コンクリートくずのうち工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものを除く。それらは第9号(がれき類)で扱う。第7号が「除く」、第9号が「限る」で、向きが逆である点を取り違えないこと。
  • ・第9号は「工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物」=いわゆるがれき類。
  • ・ばいじん(第12号)は、ばい煙発生施設・特定施設・第12号イ〜トの廃棄物の焼却施設において発生するばいじんであつて、集じん施設によつて集められたものに限る。集じん施設で集められたものであることが条件。
  • ・第13号は、燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類や前各号の廃棄物等を「処分するために処理したもの」であつて、これらの廃棄物に該当しないもの。中間処理後の残さも産業廃棄物であり続けるという条文上の根拠。
  • ・動物のふん尿(第10号)・動物の死体(第11号)は、いずれも畜産農業に係るものに限る。
  • ・ゴムくず(第5号)・金属くず(第6号)・鉱さい(第8号)には、業種や工事に伴うかどうかの限定はない。
  • ・表の「設備」の印は、設備工事の現場で出やすいものを探しやすくするための目印であり、条文の区分ではない。印がない品目でも、出れば同じく産業廃棄物として扱う。

【保管(法第12条)】

  • ・事業者は、産業廃棄物が運搬されるまでの間、産業廃棄物保管基準(環境省令で定める技術上の基準)に従い、生活環境の保全上支障のないように保管しなければならない(第2項)。
  • ・事業場の外での保管について事前の届出が要るのは、次の3つがそろう場合(第3項前段)。①対象は建設工事に伴い生ずる産業廃棄物であること(施行規則第8条の2)②保管の用に供される場所の面積が三百平方メートル(300m²)以上であること(施行規則第8条の2の2。許可施設等での保管は除かれる)③非常災害のために必要な応急措置として行う場合でないこと(施行規則第8条の2の3)。この場合、あらかじめ都道府県知事に届け出る。届け出た事項を変更しようとするときも同様(第3項後段)。
  • ・現場の外に少しでも仮置きすれば事前届出、ではない。面積が三百平方メートル未満なら法第12条第3項の事前届出の対象外。ただし第2項の産業廃棄物保管基準そのものは面積にかかわらず適用される。また自治体の条例・要綱で別途届出を求める例があるため、所管の都道府県・政令市に確認すること。
  • ・上記①②に当たる保管を、非常災害のために必要な応急措置として事業場の外で行つた場合は、事前届出に代えて、当該保管をした日から起算して十四日以内に都道府県知事に届け出る(第4項)。第3項の「あらかじめ」が間に合わない災害時の事後届出という位置づけ。
  • ・届出をした事業者が当該届出に係る保管をやめたときは、保管をやめた日から三十日以内に、様式第二号の六による廃止の届出書を都道府県知事に提出する(施行規則第8条の2の6)。出し忘れやすいので、置場を引き払う段取りに組み込むこと。
  • ・具体的な保管基準は環境省令による。掲示板・囲い等の要件は所管の都道府県・政令市に確認すること。

【処分と委託のルール(法第12条第5項〜第7項・第14条第16項/施行令第6条の2)】

  • ・事業者が産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合、その運搬については産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者に、それぞれ委託しなければならない(法第12条第5項)。運搬と処分で委託先が別に指定されている。
  • ・委託先の要件は「許可を持っていること」だけでは足りない。運搬は他人の産業廃棄物の運搬を業として行うことができる者であつて委託しようとする産業廃棄物の運搬がその事業の範囲に含まれるもの、処分又は再生は同じく委託しようとする産業廃棄物の処分又は再生がその事業の範囲に含まれるものに委託する(施行令第6条の2第1号・第2号)。実務では許可証の「事業の範囲」欄に、今回出す産廃の種類が入っているかを毎回見ること。
  • ・委託契約は、書面により行う(施行令第6条の2第4号)。法第12条第5項が運搬先と処分先をそれぞれ指定しているため、運搬・処分それぞれの受託者と書面で契約することになる。
  • ・委託契約書に条項として含める事項(抜粋。ニ=輸入された廃棄物であるときはその旨、は本ページでは扱わない)。イ=委託する産業廃棄物の種類及び数量。ロ=運搬を委託するときは運搬の最終目的地の所在地。ハ=処分又は再生を委託するときはその処分又は再生の場所の所在地、その処分又は再生の方法及びその処分又は再生に係る施設の処理能力。ヘ=その他環境省令で定める事項。あわせて環境省令で定める書面が添付されていること。その書面は、許可証の写しその他の受託者が委託しようとする産業廃棄物の処理をその事業の範囲に含むことを証する書面(施行規則第8条の4)。
  • ・抜けやすいのがホ。産業廃棄物の処分(最終処分を除く。)を委託するとき=中間処理を委託するときは、当該産業廃棄物に係る最終処分の場所の所在地、最終処分の方法及び最終処分に係る施設の処理能力まで契約書に書く(施行令第6条の2第4号ホ)。中間処理業者に渡して終わりではなく、その先の最終処分先を契約書で押さえる趣旨。
  • ・委託契約書及び添付書面は、その契約の終了の日から五年間保存する(施行令第6条の2第5号・施行規則第8条の4の3)。マニフェストの写しの五年間とは起算日が違う。契約書は「契約の終了の日」から、マニフェストは「交付した日」から数える。
  • ・再委託は原則として禁止。産業廃棄物収集運搬業者は産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、産業廃棄物処分業者は産業廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない(法第14条第16項)。ただし書きによる例外はあるが、要件は政令・環境省令で定められているため、原文と所管窓口で確認すること。
  • ・委託して終わりではない。事業者は委託する場合には当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない(法第12条第7項)。条文上は努力義務だが、「努力義務だから見なくてよい」という意味ではなく、現地確認や処理状況の記録の確認が求められる規定。

【マニフェスト(法第12条の3)】

  • ・産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、産業廃棄物の引渡しと同時に、運搬を受託した者(処分のみの委託ならその処分受託者)に対し管理票を交付しなければならない(第1項)。
  • ・この「環境省令で定める場合を除く。」に当たる、交付を要しない場合は施行規則第8条の19に列挙されている。第1号=市町村・都道府県への委託、第2号=廃油処理事業を行う港湾管理者等への委託、第3号=専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集・運搬・処分を業として行う者に当該産業廃棄物のみの運搬又は処分を委託する場合。第4号以降は認定・指定を受けた者への委託、国への委託、輸出等。
  • ・設備工事で出やすいのは第3号。金属くず等を「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみ」を扱う業者(いわゆる専ら物業者)に、当該産業廃棄物のみで委託する場合は交付を要しないことがある。委託先がこれに当たるかは、規則第8条の19の原文と委託先の実態で確認すること。
  • ・記載事項は、委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称、その他環境省令で定める事項。
  • ・交付者は管理票の写しを、交付した日から五年間保存する(第2項・施行規則第8条の21の2)。
  • ・送付を受けた管理票の写しも五年間保存する(第6項・施行規則第8条の26)。
  • ・運搬受託者は運搬終了時に管理票に所定事項を記載し、期間内に交付者へ写しを送付する。処分を委託した先があるときは管理票を回付する(第3項)。

【処理の流れ(法第12条第5項の定義)】

  • ・最終処分とは、埋立処分、海洋投入処分又は再生をいう(法第12条第5項かっこ書き)。最終処分=埋立だけではない。再生(リサイクル)も条文上の最終処分に含まれる。
  • ・中間処理業者とは、発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分する者をいう(法第12条第5項かっこ書き)。破砕・選別・焼却などで受け入れる先がこれに当たる。
  • ・中間処理産業廃棄物とは、その一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分した後の産業廃棄物をいう(法第12条第5項かっこ書き)。中間処理を経ても産業廃棄物であり続ける。
  • ・そのため中間処理業者は、法第12条第5項において事業者に含まれる。中間処理後の産業廃棄物をさらに他人に委託して運搬・処分するときにも、委託の基準(書面契約・事業の範囲の確認)が同じように掛かる。法第12条第5項のかっこ書きは、中間処理業者を含める範囲として「次項及び第七項並びに次条第五項から第七項まで」を挙げており、管理票の規定にも及ぶ(詳細は「マニフェスト」の節)。
  • ・排出事業者の責任は、業者に引き渡した時点では終わらない。法第12条第7項は「発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程」における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるよう求めている。最終処分が終了するまでが射程。

【窓口の探し方】

産業廃棄物の許可・届出・指導の窓口は、都道府県または政令市(保健所設置市を含む場合があります)の産業廃棄物担当課です。「〇〇県 産業廃棄物 担当課」で検索すると所管窓口に辿り着けます。

自治体名・電話番号・URLは変動するため本ページには記載していません。

本ページに載せているのは廃棄物処理法・同施行令・同施行規則の記載範囲だけです。ここにない品目・数値・様式は原文で確認してください。